あなたのところにも届きましたか?「NISAに関する信託報酬等の概算額のお知らせ」
最近、証券会社や銀行から「NISAに関する信託報酬等の概算額のお知らせ」という通知が届いた方はいらっしゃいませんか。私は先日確認しました。「これは何だろう?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。今回は、この「お知らせ」について詳しく解説していきます。
この「お知らせ」の目的とは?
この通知制度は、投資家保護を目的として創設されました。投資信託を保有していると、日々の値動きには目が行きますが、実際にどれくらいのコストがかかっているのかは意外と見えにくいものです。特に信託報酬は、保有している間ずっとかかり続ける「見えないコスト」です。
金融庁は、投資家の皆さんがコストを「見える化」し、より良い投資判断ができるよう、この通知制度を設けました。
いつから始まった制度?
この制度は、金融商品取引法の改正により2018年に制度化され、2019年4月から施行されています。NISA口座で投資信託を保有しているすべての投資家に対して、年に一度、前年分の信託報酬等の概算額を通知することが金融機関に義務付けられました。
証券会社、銀行、ネット証券など、NISA口座を取り扱うすべての金融機関から必ず発行されます。通知時期は金融機関によって異なりますが、多くは1月から3月にかけて送られてきます。
通知には何が書かれている? どこを見るべき?
通知書には、様々な情報が記載されています。特に確認しておきたいポイントは以下の3つです。
① 保有している投資信託の名称と評価額
現在どんな商品をいくら保有しているかが一目でわかります。
② 信託報酬等の料率(年率)
その投資信託の年間コストが何パーセントかが記載されています。これが最も重要な数字です。
③ 信託報酬等の概算額
前年1年間で実際に支払った信託報酬の金額が円単位で示されています。この金額を見ると、コストの実感が湧きやすくなります。

正直、あまりの安さに驚きました。「この費用で運用してくれているんですね。ありがとう!」という思いです。みなさんが「お知らせ」を見た感想はいかがでしょうか。
具体的にどれくらい違うの? 試算してみましょう
コストの違いがどれほど影響するか、具体例で見てみましょう。
【例1】超低コストな投資信託の場合
- 保有額:1,000万円
- 信託報酬等の料率:年0.08%
- 年間コスト:8,000円
最近の全世界株式インデックスファンドやS&P500インデックスファンドなどは、信託報酬等の料率が0.1%を切る超低コスト商品が増えています。例えば年率0.08%のインデックスファンドの場合、1,000万円保有していても、年間コストはわずか8,000円です。驚きの安さです。
【例2】高コストな投資信託の場合
- 保有額:1,000万円
- 信託報酬等の料率:年2.0%
- 年間コスト:20万円
一方、アクティブ運用型の投資信託の中には、信託報酬等の料率が2%程度のものもあります。同じ1,000万円でも、年間コストは20万円です。「んっ、そんなに⁉」という印象です。
この差は年間で19万2,000円。ほとんど資産が増えなかった場合を想定したとして、単純計算で10年で192万円、20年で384万円の差です。長期で保有すればするほど、非常に大きな差となっていきます。
まずは届いた通知を確認してみましょう
この通知は、ご自身の投資状況を見直す絶好の機会です。まずは届いた書類をしっかり確認してみてください。「思ったよりコストがかかっていて驚いた」という発見があるかもしれません。
見直しのきっかけにも
もし高コストの商品を保有していることに気づいたら、これを機に商品の見直しを検討してみるのもよいでしょう。
単純にコストが高いから悪い商品というわけではありませんが、コストは必ずあなたの利益を蝕みます。保有し続ける場合は、「そのコストを払う価値がある!」と思えているかが大事です。
「あなたは、その商品にそれだけのコストを払う価値があると判断して保有していますか?」
「今、あなたがその金額を投じるとしたら、同じ商品を買いますか?」
その答えが「YES」ならそのままで問題ありません。もしも「?」となったなら、商品を見直した方がいいかもしれません。
そして、もしも信託報酬の高い商品ばかりをラインナップしている金融機関と取引している人は、これを機会に「その金融機関と取引を続けていいのかな?」と考えてもよいかもしれません。
NISAの非課税メリットを最大限に活かすために
NISAは優れた制度です。通常であれば運用益に約20%の税金がかかるところ、NISA口座なら非課税。この大きなメリットを最大限に享受するためには、できるだけコストを抑えた良質な商品を長く持ち続けることが重要です。
せっかくの非課税メリットが、高い手数料で目減りしてしまってはもったいないですよね。届いた通知をきっかけに、ご自身の投資を振り返り、より良い資産形成につなげていきましょう。



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