【コラム】金融庁の新しい武器:「金融事業者一括検索機能」で詐欺から身を守る

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深刻化する投資詐欺の被害

近年、投資詐欺の手口は巧妙化しています。SNSを通じて接近してくる見知らぬ人物、知人を装った電話勧誘、魅力的なリターンを謳うダイレクトメール。詐欺師たちは、さまざまな手段で私たちに近づいてきます。

警察庁の発表によれば、2024年のSNS型投資・ロマンス詐欺の被害額は1,272億円に達し、前年比で約2.8倍に急増しました。1件当たりの平均被害額は1,243万円という非常に高額な被害が発生しています。これは決して他人事ではありません。

投資を勧誘してくる相手が詐欺師かどうかを判断するのは、決して容易ではありません。彼らは立派な肩書きを持ち、もっともらしい資料を見せ、時には豪華なオフィスで接客することもあります。しかし今、この状況を変える新しいツールが登場しました。

金融庁による新しい対策:検索機能の登場

2026年1月、金融庁から「金融事業者一括検索機能」がリリースされました。これは投資詐欺から身を守るための強力なツールです。スマートフォンやパソコンがあれば、いつでもどこでも、目の前の金融事業者が本物かどうかを確認できるようになったのです。

「金融事業者一括検索機能」とは

この新機能は、免許・許可・登録等を受けている金融事業者について、パソコンやスマートフォンで業種横断的に一括検索できるシステムです。銀行、証券会社、保険会社、貸金業者など、さまざまな業種の金融事業者を一つのサイトで検索できます。

従来は業種ごとに異なる窓口で確認する必要がありましたが、この機能によってその手間が大幅に軽減されました。無登録業者が関与する詐欺的な投資勧誘等の被害から身を守るため、取引の相手方が登録等を受けている金融事業者かどうか確認する際に活用できます。目の前で投資を勧誘された際、その場でスマートフォンから検索して確認することができるのです。相手が名乗った会社名や登録番号を検索するだけで、相手が本物かどうかを確認できます。

「おいしい話」には裏がある

ここで、心に留めておいていただきたい原則があります。それは「おいしい話は転がっていない」ということです。「必ず儲かる」「元本保証で高利回り」「今だけ特別」「あなただけに教える」といった甘い言葉は、詐欺の常套句です。

正規の金融事業者であれば、リスクについても必ず説明しますし、断定的な判断を提供することはありません。金融商品取引法では、「必ず儲かる」といった断定的判断の提供は禁止されています。つまり、そのような言葉を使う時点で、その相手は怪しいのです。

直感を信じて、その場を離れる勇気

まずは、自ら気づくことが大切です。突然舞い込んできた投資話、急かされる契約、よく理解できない商品説明。これらは全て危険信号です。何かおかしいと思ったら、その場から速やかに離れてください。

契約を急がせるのは、冷静に考える時間を与えないための手口です。「今決めないと損をする」「このチャンスは二度とない」という言葉に惑わされないでください。本当に良い投資機会であれば、考える時間を与えてくれるはずです。

少しでも「何か変な気がする」と思ったら、その直感を信じてください。人間の本能は、危険を察知する能力を持っています。違和感を覚えたら、それは何かが間違っているサインだと考えましょう。

知識が身を守る:検索機能の活用法

このような検索サイトがあることを知っているか知らないか、それだけで結果が全く変わってくることがあります。知識は最大の防御です。相手が名乗った会社名や登録番号を、その場でスマートフォンから検索できる。これだけで、多くの詐欺を見破ることができます。

実際、詐欺師の中には実在する金融機関の名前を騙ったり、似た名称を使ったりする者もいます。また、本物の登録番号を偽って伝えるケースもあります。だからこそ、この検索機能で確認することが重要なのです。検索結果が出てこない、あるいは相手が言っている情報と一致しない場合は、明らかに危険信号です。

金融庁の「金融事業者一括検索機能」は、https://search.fsa.go.jp/ からアクセスできます。このURLをスマートフォンのブックマークに登録しておくことをお勧めします。いざという時、すぐに確認できる準備をしておくことが、被害を防ぐ第一歩となります。

躊躇する必要はありません。金融庁の検索サイトで確認する、家族や友人に相談する、消費生活センターに問い合わせる。こうした一歩が、あなたの大切な財産を守ることにつながります。

おわりに:安心できる投資環境のために

投資は本来、将来のために資産を育てる前向きな行為です。しかし、その善意や期待につけ込む悪質な詐欺が後を絶たないのも事実です。正しい知識と確認手段を持つことで、安心して金融サービスを利用できる環境を、私たち一人ひとりが作っていく必要があります。

金融庁が提供するこの新しい検索機能は、私たちの大切な財産を守るための道具です。しかし、道具は使ってこそ意味があります。少しでも疑問を感じたら確認する習慣を身につけてください。

あなたの財産を守れるのは、最終的にはあなた自身です。この新しい検索機能を、ぜひ有効活用していただきたいと思います。

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